こんにちは、山本彩(やまもと あや)と申します。私はこれまで、臨床心理士・精神保健福祉士として、精神科病院や、教育現場、発達障害者支援センター、刑務所などで、主に発達障害支援に関わる仕事をしてきました。
 医療・教育・福祉・司法など多領域で経験を積ませていただいたことと(横のつながり)、乳幼児期の支援から老年期の支援までライフステージ全般に携わる機会があったことは(縦のつながり)、私にとってたいへん貴重な学びの機会でしたし、現在の私の臨床スタイルに大きく影響しています。それらが私の臨床スタイルにどんな風に影響しているのか、以下に少しご紹介させていただきたいと思います。

  1.  一つには、よく疾病や感染症で用いられる、予防・早期発見早期介入・再発予防のシステムをつくることができないか、常に考えているということです。発達特性そのものは脳の多様性の一つですから、治療したり、変えたり、という対象にはなりませんし、そうするべきでもありませんが、発達特性が遠因となって起こることがある、被虐待経験、いじめられ体験、精神疾患の発症、社会的ひきこもりなどの行動の問題、については、予防・早期発見早期介入・再発予防が必要と考えています。例えば、発達特性が周囲に理解されずにいじめを受け、社会的ひきこもり状態になり、そのご家族が相談機関をおとずれても、なかなかうまくことが進まないということがあります。どうでしょうか、何度も何度もご本人とご家族が苦しみすぎないですむチャンスがあったのにもかかわらず、うまくことが進んでいないのではないでしょうか?また、私が刑務所や少年院の中で出会う方々は皆―当然犯罪は良くないことですし、被害者がいる場合は被害者や被害者家族の心情に配慮をするべきですが―、激しい虐待やいじめられの体験をしています。今、目の前の方と出会い支援を行いながら、同じような人が少しでも減るようなシステムづくりにも力を注ぎたいのです。
  2.  二つ目には、世の中に様々ある専門性を、互いに強みを活かし、苦手はカバーしあいながら、うまく連携できるようにしていきたいと、考えているということです。例えば専門的な職業に就いている人たちは皆、自分の仕事に使命があったり、大切な価値を持っていたります。そこで、専門性が異なる人が出会うとき、しばしばそれらが摩擦の要因になったり、お互い理解できない要因になったりします。発達特性を含む多様な脳が世の中に必要なように、様々な専門性や価値観が、世の中には必要だと思います。少なくとも、一つ目のシステムをつくっていくためには、絶対に様々な専門性や価値観が必要だと思うのです。専門職を例に出して述べましたが、お母さんとしてのプロ、地域のおじさんとしてのプロなど、誰についても言えることだと考えています。
  3. *発達障害」については、どの用語を用いるか、またどの漢字を用いるか、色々な立場があります。ここでは発達障害者支援法に準じて「発達障害」の語で統一しています。

    ということで作成したガイドブックです。↓こちらをご覧下さい。

    行動の問題を持ち・支援を拒否する本人への
    『地域支援ガイドブック』 (H25年 製作/山本 彩)

    一つ目と二つ目を実現していくためには、自分自身がしょいこみすぎず、仕事にやりがいを感じ、そして仕事以外の楽しみをもつことが、重要だと考えています。しょいこみすぎたり、仕事だけになってしまうと、視野が狭くなり柔軟な発想ができなくなってしまうと思うからです。また、一つ目と二つ目を実現していくには時間がかかりますので、自分自身が健康でいて、あきらめずに、挑み続けることが重要だと思います。時に息を抜きながら、やっていきたいなと思っています(ちなみに趣味は、居酒屋巡り、大好きなアーティストBさんのおっかけ、ピアノ、まげわっぱに映えるお弁当づくり、などです)。